小さなお話。 [小説(目次推奨)]
小話詰め合わせ。
ゆきじさん宅と駒込さん宅のお子さんをまた勝手に拝借。
◆女子力ってなんですか。
こせりちゃんと黒猫と禍ツ鳥
黒猫の友はまるで『可愛い』という理想を形にした様な女の子だった
やや右隣へと視線を下げれば愛らしい桜の花弁に似た眉と柔らかな金髪の合間から水玉模様の耳が見えた。
最近購入した雑貨や服の話、お気に入りのネイルについて久しぶりに自分の趣味を語る黒猫の言葉に
ピコピコと耳を動かし、一つ一つの話題に目を輝かせながら相槌を打ってくれるその仕草につい話題も弾む。
勿論の女子二人が揃えば花咲く話題といえば恋の話も少なからずある訳で…
「ノエインちゃん!そこはすかさずアピールよ!」
「みっ、」 「そうよ、イスマーニさんだっけ?も振り向いてくれるわよ。」
握り拳を掲げ大きな瞳に闘志を燃やし黒猫を炊きつける少女を眺めながら、黒猫は思案する。
そういえば自分は女子に入るのだろうか、と。目前にいる女子力の高い少女を眺める。
「(こせりちゃんみたいにおんなのこらしくいたかったな。)」
禍ツ鳥相手に己の恋は叶うのだろうか?
◆可能性の話
しんりちゃんと蜘蛛と蜂
「すずめお兄さん~!」
コロコロと鈴を転がしたかの様な可愛らしい声音で
隣の雀蜂へと話し掛ける少女はここ数日よく遊びに来る。
スナイロユンクの少女
「あ、しんりちゃん!いらっしゃい~」
その度、嬉しそうに雰囲気を和らげて彼女を迎える男を横目で見る。
だらしなく緩む口元、がら空きの背、情けない事この上無い。
さりげなく蜂が「汚い家だけど上がって、」と少女へ話す。
「お前の家じゃねえよ」と毒づきながらも
「まぁ、多少埃っぽいが我慢してくれな。」と付け足せば少女がふわりと笑う
少女を定位置の縁側へと案内し、座らせては雀蜂が話している合間に茶を入れに席を立つ。
そういえば、先日新しい茶葉を購入したことを思い出す。
少女の好きなフレーバーはどの様なものだっただろうか、
「すずめお兄さん達にお土産です!」
少女が掌に乗せた可愛らしい包みを雀蜂の無骨な手が
壊れ物でも扱う様に慎重に受け取るのを見た。
丁寧に包み紙を開ければ可愛らしい洋菓子が入っていた。
きっと少女が一生懸命作ってくれたものだろう。
「…ーーーッ!なんかむっちゃくちゃ嬉しいんだけど!!」
「苦しいですよ~、すずめお兄さん」
包みを受け渡し空いた手でぱたぱたと、雀蜂の背を叩く。
「ああ、ごめんごめん、勢いで。…いつもありがとう、しんりちゃん。」
そしてぎゅうぎゅうと少女を抱きしめる雀蜂の様子に席に戻ろうかと一瞬逡巡するが
とりあえず少女に被害はなさそうなので茶葉の選別に戻る。
少し詰まった声に、今の雀蜂の表情は伺わなくとも想像がつく。
…あれは他人の好意に弱い。
そして、俺自身も他人の好意はどう受け取れば良いか未だに判らない。
しばらく少女の茶菓子と共に他愛ない話をし
いつの間にか日が暮れていることに気付く。
「しんり、お前の気に入るものかわからないが、嫌でなければ持って行け。」
帰り支度をする少女に渡した一つの茶筒
ドライフルーツと茶葉を混ぜたフレーバーに
少女は少し考える様に首を傾げた後、花が綻ぶ様な微笑みを見せた。
***
「リヴが皆あの子みたいだったら良かったのに。」
『 あの子』と慈しむ様に呟く男の戯言
「しんりやロゼが特別なんだろう、」
東に住まう蜂の軍勢
西に住む己を含む化物
どこにも所属しない、カマキリの女王
「皆、あの様ならば、そもそも貴様には出会わずに済んだ訳だ。」
「あ~・・・じゃやっぱ撤回するわ。俺これでも強欲だからね。」
出会った人々一人も取りこぼしたくないんだ。
◆昔の蜘蛛と雀蜂
「やぁ、アルゴル」
一歩、と踏み出せばジトリと濡れた畳が、靴底に嫌な感触を伝えてる。
黒の軍服に身を包む青年は制帽を目深に被り青い瞳を細めた。
アルゴルと呼び掛けられた蜘蛛は暗闇に閉ざされた屋敷の天井からジっと侵入者を見つめている。
細く開いた障子の隙間から伸びる月明かりは赤黒く汚れた畳の上に伸び、蜘蛛を照らしている
床まで伸びる漆黒の髪、顔半面を覆う真白い包帯
爛々と侵入者を見つめる赤紫の瞳は
闇に身体を浸し、ひそりと生きる姿は西の森を統べる蜘蛛と酷似する。
蜘蛛の足は壁と天井へと伸び、彼の身体を支えている
が、人の成をしている片腕はある人物を抱えていた。
だらりと落とされた人の腕を見て、青年は緩く被りを振る。
どうせ間に合う等とは毛頭思って居ない。
「悪いけど、部下は返して貰おうか。」
「…ぁあ、ぁあ 覚えているぞ、忌々しい女王の駒よ
貴様の臓物をブチ撒ければ、少々気が晴れるというものよ、」
確か部下を餌にした女王関連の話を書こうとして諦めた。
◆蜘蛛とロゼ ほのぼの系を目指して死んだ名残
「瞑君は顔を覆う長髪を切って、包帯も外したほうがいいよ。
短髪の方が絶対印象良いって!君は顔立ちは良いんだからさ。雰囲気明るくしようよ~」
深緑色の瞳が蜘蛛の至近距離で細められる。
彼特有の葡萄酒色の長髪が肩口でさらりと揺れ、愛用の香水の香りに瞑は目を細める。
「ね?…どうせモンスとかリヴとかの区別は付かないよ。だから、行こうよ!秋祭り!!」
「見た目云々はお前に任せてもいい…だがな、ロゼ。
万が一モンスとバレたらどうすりゃいい?
俺一人なら兎も角、お前を守りながらの逃走は無理だ。」
眉を顰める蜘蛛の表情に、青年-ロゼ-はいっそう笑みを深める。
なんだそんなことか、など。蜘蛛の気も知らずに笑うのだ。
「なにがあっても、瞑君だけは守るから大丈夫だよ!」
その自信はどこから来るのやら、ロゼは言い切ると瞑の手をとり歩き出す。
「さて、髪は肩上位まで切っちゃおうか。
それに顔半分を覆う包帯も取っちゃうよー!着物も濃紺から紅に変更しちゃおう。」
素敵なお話をありがとうございます(>ワ<///
お土産にとっても香りの良さそうな美味しそうなお茶まで頂いてvvv
しんりも香りを楽しんでほくほくと幸せそうな笑顔です(^^
これからもどうぞ仲良くしてくださいませv<構って貰えて幸せ笑顔のしんりですよw
by ゆきじ (2014-02-10 00:13)
おはよう御座います。
読めば読むほど深いお話ばかりですね~(人′∀`*)v
私は最近書いていないので前以上に劣化してそうです;;
また何か仕上がったら知らせて下さると嬉しいです(oゝд・o)ノ
by 七不思議 (2014-02-11 09:50)
ゆきじさん>
こちらこそ、遊びに来ていただいてありがとうございました!
しんりちゃんが遊びに来てくれる時の蜘蛛や蜂の嬉しそうな様子といったら…!!
ぜひぜひまた遊びにいらしてくださいませ~///
暖かなコメントありがとうございました~!
七さん>
こんにちはいつもツイッタではお世話になっています///
勿体ないお言葉をありがとうございます。
私なんて以前もですがさらに劣化している感じがします。
七さんはいつも綺麗なイラストを描かれていてすごいなぁと思います。
暖かなコメントありがとうございました。
by Az (2014-04-18 22:25)
Azさんお久しぶりです、駒込でございます。
うっうっ色々ありすぎて言葉になりませんが、とにかくありがとうございます!!
女子力がどんどん上がってるこせりとノエインちゃんが見れて凄く嬉しかったです///
by 駒込 (2014-09-27 01:11)
>駒込さん…!
コメントありがとうございます。お久しぶりでございます///
駒込さんがいらっしゃらずとても寂しかったのでなんだか
お顔?(それともアイコン?)を拝見出来て安心しました(*´ω`*)♡
こせりちゃんが女子力高いので二人できゃっきゃしていたら良いなぁと
思っております(/∀`*)♡多分恋話やスイーツ話で盛り上がるのでしょうね♡
書き込みありがとうございます!
by Az (2014-12-31 22:33)